情報共有を円滑にするための必需品

学校法人東北医科薬科大学 東北医科薬科大学病院

学校法人東北医科薬科大学 東北医科薬科大学病院 様

【施設情報】

ご施設名:学校法人東北医科薬科大学 東北医科薬科大学病院
住所:宮城県仙台市宮城野区福室1-12-1
病床数:600床
主要モダリティ:一般撮影装置 4台、骨密度計測装置 1台、マンモグラフィー 1台、X線TV透視装置 3台、CT 4台、血管撮影装置 4台、核医学検査装置 1台、MRI 2台、放射線治療装置 1台、CT(放射線治療専用)1台、外科用イメージ 4台(うちCアーム 3台、Oアーム 1台)

放射線科 技師長 千葉 浩生 氏
放射線科 技師 半田 佐斗子 氏

東北医科薬科大学病院は、2016年に東北薬科大学病院から名称を変更し、東北医科薬科大学の附属病院として開設しました。診療の充実、医療人の育成、臨床研究の推進、経営基盤の強化を通して東北の地域医療発展の推進役を担っています。現在は宮城県内で7施設目となる三次救急の受け入れ準備も進めています。

導入の経緯

業務効率が飛躍的に向上

当施設は、仙台地域の中核病院として日々多くの患者さんを受け入れています。今後、地域医療の拠点として更なる地域のニーズにこたえるべく、地域の救急医療、とりわけ三次救急の受け入れ態勢も整える中で、放射線科においても、更なる業務効率化が課題となります。とくに当施設では、検査予約がない臨時の検査依頼が全体の40%を占めていることや、多くのモダリティ・検査室を有しているという現状があったため、事前の検査予約および、突発的な検査依頼へのスムーズな対応と、放射線科業務の更なる運用改善という課題がありました。このような状況を改善しつつ、より業務を効率化する機能の充実を求め、2014年にPSP社のRIS「放射線業務管理システム ARIStation」を導入しました。

導入後の感想

患者対応の質向上と帳簿作成の効率化を実現

「ARIStation」導入後、特に受付関連機能と帳簿作成機能において、業務効率化と患者対応の質向上に大きく貢献していると感じています。例えば、受付関連機能に関してですが、患者さんは特に救急や入院の場合、車椅子やストレッチャー等、様々な状態で来られるため、その患者さんにあった対応が必要になります。しかし技師も、検査室で撮影対応に追われるため、患者さんの状態を把握することが難しい場面も多々あります。その際に「ARIStation」の“患者状態入力機能”により、車いすやストレッチャー、意思疎通不可など患者状態を入力することで検査前に情報共有を行え、その結果、検査室のスタッフの配置や検査順の調整が可能となり、日々多くをこなす検査業務を、より効率的に進められています。
また、帳簿管理関連の機能に関しても、従来の業務の効率化に貢献している点で評価しています。以前活用していた、他社製のRISは、帳簿作成機能などがなく、月報の作成や院内からの統計依頼に関して手入力・手計算で行っており、大変な労力と時間がかかっていました。その点において、「ARIStation」には“帳票作成機能”が備わっており、必要な情報を選択することですぐに帳票を出力でき、業務改善に貢献できています。当院は多くのモダリティを有している背景があり、その1つ1つに帳簿を作成する必要がありますから、少ない操作で作成できるようになり、業務を大幅に削減できました。また、帳簿内容をPSP社の開発に依頼し、カスタマイズ依頼をしたこともありますが、その際のPSP社のサポートのレスポンスが良く、スムーズに実装できた記憶もあります。


現場での情報共有効率化と安全性向上に貢献する各種機能を搭載

現場における情報共有においては、“プレチェック機能”、“コメント機能(患者・撮影指示・連絡・検査時)”、“メッセージ機能”が頻繁に活用されており、状況に応じた使い分けがなされています。撮影時には必要な情報をまとめ、正確かつスムーズに伝達する必要があります。「ARIStation」では“プレチェック機能”内に、検査指示の専用入力メニューがあり、文字入力はもちろん、定型文により入力することもできるので、スムーズに情報共有を行えています。また“検査時コメント機能”において、過去の撮影方法や造影剤の種類を、履歴としてモダリティごとに管理しています。特に造影剤を使用する検査に関しては、過去の撮影方法を参考に撮影を実施することが多いため、この機能で履歴を残すことにより、その都度調べることなく、効率的かつ安全に検査を行えています。また“メッセージ機能”に関しては、臨時検査が発生した際に、放射線医への指示出しを促す際に活用しています。当院では、臨時の検査依頼が全体の40%を占めている中で、臨時の検査依頼があった際は、放射線医により指示が出されます。放射線医も読影業務を行いながらとなるため、1つ1つの臨時検査に関して電話で連絡を取り合っていた頃は、時間の制約や伝達ミスのリスクなどがあるため、双方の負担となっていました。この“メッセージ機能”は、周知したいユーザに直接メッセージを送れますので、急な読影指示依頼を仰ぐ際に活用しており、放射線業務の効率化、医療安全の向上に貢献できています。

今後への期待

大規模な病院こそ導入を

当院のモダリティ数は10年前に比べ大きく増加しており、年間の延べ検査数は10万件に上ります。例えばCT検査1つとっても、一日の検査数が100件を超える日もあり、臨時の検査も多く発生している現状がありましたが、「ARIStation」のおかげで以前より効率的な放射線科の運用ができていると思います。
PSP社はエンジニアの技術力が高く、レスポンスも迅速なため、導入から現在まで安心して使うことができています。患者数や検査件数、診療のプロトコルが多い病院こそ、「ARIStation」をお勧めします。

< 2025年取材 >